自動車整備に使うグリースは、部位ごとに使い分ける必要がある。
ブレーキにはブレーキ専用。
ゴムにはラバー対応。
樹脂には樹脂対応。
低速高荷重にはモリブデン。
高温ねじにはアンチシーズ。
電気コネクタには誘電グリース。
ウェザーストリップにはシリコン。
等速ジョイントにはCVジョイント専用グリース。
このように、用途で選ぶ。
グリースは、塗れば良いものではない。
間違った場所に塗れば、潤滑剤ではなく故障原因になる。
自動車整備では、万能グリース信仰を捨てるべきである。
重要なのは、部位、材質、温度、荷重、水分、回転数で選ぶことである。
ブレーキパッド裏:
ブレーキ専用グリース、セラミック系
キャリパースライドピン:
ラバー対応ブレーキグリース、シリコングリース
ドラムブレーキ接触部:
ブレーキ専用耐熱グリース
ハブ固着防止:
薄い防錆剤、セラミック系アンチシーズ
ホイールナット:
原則塗らない。指定がある場合のみ。
マフラー・エキマニボルト:
銅グリース、ニッケル系、セラミック系アンチシーズ
スパークプラグ:
原則指定に従う。安易に塗らない。
等速ジョイント:
CVジョイント専用モリブデングリース
プロペラシャフト・スプライン:
モリブデン系、極圧グリース
サスペンションブッシュ:
シリコン系、ラバー対応、ウレタン専用
ボールジョイント:
指定グリース、シャーシグリース
クラッチフォーク・スプライン:
クラッチ専用、高温グリース、モリブデン系
シフトリンケージ:
リチウム系、樹脂対応、シリコン系
ドアヒンジ:
リチウムグリース、スプレーグリース
ウェザーストリップ:
シリコングリース、ラバー保護剤
電気コネクタ:
誘電グリース、防水シリコングリース
バッテリー端子:
端子防錆グリース
パワーウィンドウ・サンルーフ:
シリコン系、フッ素系、樹脂対応
Oリング・パッキン:
シリコン、ラバー、フッ素、専用品
DIYで最初に買うべきグリースは、シリコングリース、ブレーキ専用グリース、リチウムグリースである。
排気系や固着ボルトを触るなら、アンチシーズを追加する。
足回りや駆動系の低速高荷重部を触るなら、モリブデングリースを追加する。
この5種類があれば、一般的な自動車DIY整備ではほぼ足りる。
逆に、何でもモリブデン、何でもリチウム、何でもシリコンという使い方は危険である。
グリースは、種類よりも用途で選ぶ。
ここを間違えないことが、DIY整備では一番重要である。
マフラー交換なら、銅系アンチシーズとシリコングリースがあればよい。
エキマニ交換までやるなら、ニッケル系またはセラミック系アンチシーズを使いたい。
O2センサーやA/Fセンサーを外すなら、センサー対応アンチシーズを使う。
ゴムハンガーにはシリコングリースを使う。
モリブデングリースやリチウムグリースは、排気系交換の主役ではない。
マフラーフランジボルト:
銅系アンチシーズ
リアピース接続ボルト:
銅系アンチシーズ
中間パイプ接続ボルト:
銅系アンチシーズ
エキマニ固定ナット:
ニッケル系アンチシーズ、またはセラミック系アンチシーズ
エキマニスタッドボルト:
ニッケル系アンチシーズ、またはセラミック系アンチシーズ
遮熱板ボルト:
銅系、ニッケル系、セラミック系アンチシーズ
フロントパイプ接続部:
ニッケル系、または銅系アンチシーズ
O2センサーねじ部:
O2センサー対応アンチシーズ
A/Fセンサーねじ部:
O2センサー対応アンチシーズ
マフラーハンガーゴム:
シリコングリース、またはシリコンスプレー
ゴムブッシュ:
シリコングリース